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ユトリロジー 第三章
お菓子歳時記
 
2008.9 つきびと知らずの風流スイーツ 上品?カジュアル?おはぎの名前あれこれ
  処暑を過ぎ、暑さがとどまる毎日にも、夕方の涼風にふと秋の気配を感じ始めるこのごろ。新学期が始まればもうすぐお彼岸。季節のお菓子「おはぎ」はもともと、春のお彼岸に牡丹(ぼたん)の花に見立てて作った餅「ぼたもち」を、秋のお彼岸では萩の花に見立て、一回り小さく作ったものが起源と言われています。でも地域によってその名はさまざま。いわく、小ぶりで高級なのがおはぎ、家で作るような大きめで素朴なものがぼたもち。あるいはこしあんがおはぎで粒あんがぼたもち、などなど。高級かどうかはさておき、あんの種類に季節ごとの区別があったのは事実のようです。
  小豆の収穫期は秋。だからおはぎには採れたての小豆を皮ごと使った粒あん、春は一冬越した皮の硬い小豆しか手に入らないので、ぼたもちには皮を取り除いてこしあん。つまり、春は大きめサイズでこしあんを使った牡丹餅を、秋は小さめサイズで粒あんを使ったお萩をというのが定番ということになります。では夏や冬に食べたくなったら?心配ご無用、夏や冬にもちゃんと別名があります。臼ときねを使わずに作るぼたもちは、「いつついた(着いた)のかわからない」ので、夏には夜の船になぞらえ「夜船」。冬には「つき知らず」すなわち「月知らず」から、月の見えない北側の窓にたとえて「北窓(きたまど)」と、いつからか呼ばれるようになりました。季節を敏感に感じる日本人ならではの風流な言葉遊びですね。
 
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